業務統合管理システムPiCSYSにより業務効率40%アップを実現

株式会社横浜リテラ




総合管理室LETS プロジェクトチーム
猿渡 秀人課長 村野 雅博課長

株式会社横浜リテラ様はパッケージを始め、POP ディスプレイ、シール、チラシなど様々な印刷物の企画デザインから制作・印刷・加工・販売・配送までのワンストップサービスを展開している総合印刷情報加工企業です。

アクセシビリティの高い情報共有 
システムが生みだす従業員の意識改革

製品へのこだわりと生産効率化への取り組み

 横浜リテラ様と、その直系会社であるスタープロセス様(印刷前工程までの企画、デザイン、製版を行う)では、NSKのソリューションとして総合紙器設計CAD「Artios CAD(アルティオス キャド)」、小ロット生産対応マルチカッティングマシン「Kongsberg(コングスバーグ)」、製版処理ソフトウェア「DeskPack(デスクパック)」、印刷紙器業務統合管理システム「PiCSYS(ピクシス)」が導入されている。

同社では「お客様のあらゆるニーズに応えて、“いち早く、より正確に、高品質の製品をつくる”ために、ものづくりの入口から出口まで、最新の技術と設備を網羅する」というその企業姿勢が表すように、現在では全ての工程において充実の設備が整えられ、業務効率化への取り組みが行われており、デジタルワークフローの構築などへの取り組みも先進的に行われている。

紙器業界独特の考え方を取り入れた統合システムが必要でした

部署間を越えた総合的な業務効率化を推し進めるために、同社改革チームが取り組んだのは社内基幹システム構築による全業務の情報管理であった。その結果、横浜リテラという企業に最適なシステムを求めた同チームが選択したシステムが、印刷紙器業界のノウハウを元に構築された統合管理システム「PiCSYS」。  

「構想当初非常に困難だったのが、印刷紙器業界独特の考え方をシステムに組み込むことでした」とは村野様。 村野様が言うように、世の中には多くの管理システムが存在するが、やはり業界独特の考え方が組み込まれたシステムでなければ業務を管理するシステムとしては意味をなさないのである。実際に、PiCSYS以前から数々のシステム構想があがり、実際にいくつかのシステムを試されたが、「紙器業界特有の考え」に対応できなかった。

PiCSYSは紙器印刷製造業の受注内示段階から、見積もり・設計・デザイン・製版・抜木型・製造・出荷までの工程をフルカバーする統合管理システムであり、業界のノウハウを元に構築されたシステムである。横浜リテラ様では2005年9月に基幹システム導入プロジェクトがキックオフ、営業の見積システムから導入が始まり、生産管理、販売管理、在庫管理と段階的に導入が進み、現在はフルシステムが稼働している。

「新人営業のスタートラインが見積方法の習得から客先訪問営業へと変わった」
(改革チーム村野様)

まず一番最初に導入された営業の見積システムに求められていたものは、「見積の作成効率のアップ」、ベテランの営業でなければ行えなかった見積の「ノウハウをシステム内に組み込む」事であった。

見積を作成する際に最初に考える面付。「入れ子などの紙器業界特有の面付方法の概念を組み込む事が必要だった」とは猿橋様。PiCSYSの用紙サイズや溝幅、入れ子などの面付け方法など詳細なルールを元に数種類の面付けパターンを瞬時に算出、見積作成者はその一覧からロス率の少ないものや特定の条件から最適な面付けを選択する「面付シミュレーション」機能を使用し、ベテランのノウハウが不可欠であった面付の簡易化、効率化に成功している。さらに生産サイドのノウハウも取り入れる為に詳細な単価、予備計算条件をシステム内に組み込み、見積の単価、数量、予備の自動で計算する機能が実現されており「ロット違いなどの点数の多い見積にかかる手間が大幅に削減された」と村野様は評価する。

また、同社ではシステム導入以前からチェック機能として見積の承認を得てから提出をするというフローを行っており紙ベースで4つの拠点間をFAXでやりとりしながら行っていた。この見積承認フローがPiCSYSでフルデジタル化された事により対顧客へのレスポンスの大幅な向上を実現している。

これらの仕組みが1日20~30点の見積をこなす同社の営業を支えており、既存営業の見積効率の向上とベテランのノウハウのシステム化に成功したことが「新人営業のスタートラインが見積方法の習得から客先訪問営業へと変わった」という村野様のお言葉からも感じ取る事ができる。

生産管理システムで部署間・拠点間の
リアルタイムコミュニケーションを実現する

「現場に出向く事や余分な電話がなくなった」(改革チーム村野様)

見積システムに続いて導入されたのは生産管理システムである。
横浜リテラ様は本社の他に東京分室、工場、配送センター、リテラショップと各拠点が離れた場所にあるが、改革チームが目指したのはこれらの拠点間での情報共有による業務改革であり、そのためには拠点間でのありとあらゆる情報の共有システムが不可欠だったという。

「様々な機能の中でも導入の決め手となったのは、NSKが培ってきた紙器印刷業でのノウハウを基に構築された生産工程管理の仕組みだった」(改革チーム猿橋様)というように、PiCSYSの特長としてあげられるのが製造工程管理の仕組みである。生産管理システムにおいて、最も必要なことはリアルタイムに状況がシステムに反映されることであり、この部分を欠いたシステムでは横浜リテラ様において、生産管理としての機能は果たせなかった。

システム導入以前に大きな問題となっていたのがまさにリアルタイムでの情報共有ができていなかった点であった。担当営業や各現場担当者が況を把握する術は電話や実際に見に行く必要があり、それらに割いた時間は決して少なくなかった。また事前に立てられたスケジュールに変更が生じた際には、各現場担当者が電話等で連絡を行い合う必要があり、連絡漏れが発生した場合大幅なロスタイムが発生するなど効率的な情報共有 手段がないことが業務改善において大きな障害となっていたのである。

「無線ハンディでの入力方式を採用し、全ての進捗状況をリアルタイムで把握できるようになった」(改革チーム猿橋様)

PiCSYSでは各現場に端末を設置し、進捗状況入力を担当者によるバーコード読み取りにより実現している。 同社改革チームが求めていたのは進捗に応じて担当者がすぐにシステムに状況を反映させるという本当の意味でのリアルタイム進捗管理であった。この要求に応える仕組みとして採用されたのが有線式ハンディやキーボード入力ではなく、常に動きまわる人・物に合わせて持ち運び可能な無線式のハンディによるバーコード読み込みシステム、そしてそのデータを即座に反映させるリアルタイム進捗管理システムであった。

「2人で行っていた生産の予定組みが1人になった」(改革チーム村野様)

リアルタイム進捗管理がもたらしたメリットは、情報共有にとどまらず全体の効率化を大きく前進させた。

その端的な例として、システム導入以前は、当日の進捗状況が把握できるのが夕方であった事と製造伝票が集中してくる夕方以降に負荷が集中するため、夕方から2人がかりで予定組みを行っていたが、「システム導入後は現場からの生産進捗、営業からの受注状況がリアルタイムに把握できるようになり、集中していた負荷が分散できた」と村野様のお言葉からもわかるようにリアルタイムで全てを管理することにより、会社全体で大幅な業務効率化が実現されている。

また、予定組みをシステム化するメリットとして、後工程への変更連絡や、数量、納期の変更がリアルタイムに変更情報として把握できるなど、紙ベースでは把握しにくかった部分の管理や変更の履歴がすべて残る事により、安定供給体制、トレーサビリティの向上も果たされている。

無駄のないデータ活用を支えるArtios CAD

「1つのCADデータから様々な部署へ繋がり、最短のフロー構築ができました」(改革チーム猿橋様)

前述のPiCSYSは横浜リテラ様において40%の業務効率アップを果たしたが、この驚異的な数値を生み出した要因に、システム導入の6年前から運用されていた総合紙器包装設計ソフウェア「Artios CAD」のデータ活用があった。  

設計時に作成されるArtios CADの図面データは、サンプルカッターによる試作はもちろん、グラフィックデザイン、木型作成、CTPへと利用可能であり、PiCSYSにおいては営業の見積作成や生産管理に利用され、まさにワンソースマルチユースにソースファイルが利用されることで無駄のないデータ活用が実現しているのである。

ウォータジェット業界でも世界最高峰を誇るポンプを使用しているアクアジェットは、加工処理の速度が早い。従来、遅いとされてきたウォータージェット加工。そのため3台、4台と導入する会社も珍しくはなかったが、アクアジェットには1台でそれらの働きを補うだけの加工スピードがある。この速さとテーパーカット加工が可能であるという事が導入の最大の理由だ。

蓄積されていったデジタルワークフローのノウハウ

横浜リテラ様においてCAD/CAM が導入されたのは2001 年と当時はまだ図面データを他のDTP 作業などに活用するといった仕組みが不十分であり、現実的にはワンソースマルチユースのワークフローはデータコンバートの方法・時間など様々な問題があっ た。

しかし、「Artios CADが衝撃的だったのはファイルフォーマットの対応幅でした」(猿橋様)といわれるように、Artios CADは当時からWindows-MAC間のデータ互換を持ち、様々なファイルフォーマットでの出力機能を備えていたため、ワンソースマルチユースの大きな障害となっていたデータのコンバートなど煩わしい作業を排し、データを活用するということが当然とされる次世代のデジタルワークフローを構築していったのである。

膨大な試作回数を可能にする「生産機クラスのカッティングマシン」

小ロット多品種化がますます進む業界の流れにおいては、設計、デザイン、そして試作など「作る」工程において業務のボリュームは増すばかりである。設計やデザインにおいてはソフトウェアが進化しデジタルデータの活用で効率化が図られた。試作段階においては手加工が機械加工になり、サンプルカッターがその重要性を増しているが、サンプルカッターが業界において広く普及した今日においては他社との差別化を機械化以外の部分へと求める必要性が生じているのが現状である。

デジタル化への取り組みをいち早く行っていた横浜リテラ様では、さらなる他社との差別化として顧客からの要望へは他社がまねできないレベルでの高品質かつ素早い対応で応えるという方向性を打ち出した。この取り組みにより他社との差別化に成功、受注量は増加の一途を辿ったが、同時に一つの大きな問題を生じさせた。

「受注量が増せば増す程、それに比例して日々の試作点数が膨れあがることとなり、従来のサンプルカッターでは試作を予定通りこなすことが不可能になっていった」(猿橋様)と猿橋様が語るように、Kongsberg導入以前に横浜リテラ様が持っていたサンプルカッターでは、膨らんだボリュームに応える事が不可能となっていた。

そこで同改革チームが目を付けたのが複数の点数物や、膨大な試作点数への即時対応を可能にする精度と速度を兼ね備えたカッティングマシン「Kongsberg」だったのである。 当初、Artios CADKongsbergが導入されたのは本社のみであったが、同社の成長とともに試作数の増加が進んだことと、顧客へのクイックレスポンスをより高めるため現在では東京支社でも同システムが稼働している。この2拠点はArtios CADのデータセンターによるデータ共有によりCADデータの相互利用が可能となっており、現在では一日に数十点にも及ぶ設計・試作を本社・支社の隔たりなく行える体制が築かれている。

「生産工程システムでは想定外な部分で良い結果が生まれた」

CAD/CAMシステムや製版システム、そして統合管理システムの導入と次々と社内の業務改革を推進し、全てのシステム導入において設定目標以上の効果を出してきた同改革チームであるが、一つだけ想定外の大きなプラス効果が生まれたことがあるという。  

それは、統合管理システムのうち、生産管理システムが稼働し始めて数ヶ月が経ってからのことだった。 現場ではシステムが機能し始め、全ての進捗状況が誰でも確認できる環境を築いたことにより、担当者が他のラインの生産状況も目にするようになった。

すると現場担当者は自分が携わっている生産ライン以外にも意識を向け始め、自分が携わる生産ラインと比べて他の生産ラインは進捗具合が早いのか遅いのかといった情報を強く意識するようになり、日々の業務に“競争意識”が芽生えたのだという。情報の“見える化”により従業員一人一人に競争意識が芽生え、このことにより自発的な業務の改善・効率化が進められたという。

改革チームの猿橋課長、村野課長はICタグ利用の構想を描くなど、これからも更なる業務改善・効率化を推し進めていくとのこと。同社は成長と共にNSKソリューションの導入を順次行って頂いたという経緯があるが、CAD/CAMシステムの増設や製版ソフトウェアの導入、そして管理システムの導入など着実にステップアップしていく中で、設備導入や改善・効率化を次々に推し進め、結果を出していく原動力は、この意識の高さではないだろうか。

株式会社 横浜リテラ

http://www.yokohamalitera.com

株式会社横浜リテラ様はパッケージを始め、POPディスプレイ、シール、チラシなど様々な印刷物の企画デザインから制作・印刷・加工・販売・配送までのワンストップサービスを展開している総合印刷情報加工企業です。

導入ソリューション

印刷紙器業務統合管理システム
PiCSYS

詳しくはこちらPiCSYSは印刷紙器・シールラベル・POPディスプレイ業界向けに作られた、業務統合管理システム。

総合設計CADシステム
Artios CAD

詳しくはこちら世界で使用されるグローバルスタンダートCAD。図面作成だけでなく、作成物の情報管理機能(データベース)を持ち合せるため、リピートオーダーや作成情報をCADで管理できる。過去の作成物を無駄にせず資産として運用する要のソフト。

サンプルカッター
Kongsbergシリーズ

詳しくはこちら板紙・段ボールを初め、積層強化段ボール・各種フォーム材・ゴム・ウッドパネルやアクリル板などのカットにも対応したマルチカッティングマシン。

イラストレータープラグインソフト
DESKPACK

詳しくはこちらDeskPackはイラストレーター上での製版作業の効率化を実現するソフトウェアです。 MacOSのイラストレーターに対応し、プロセスカラーはもちろんのこと、特色や画像に対しても明るさを認識し、自動でトラップを行うことができます。

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