配送用外装箱の最適化で物流トラブル・コスト削減
段ボールケースマシン IB-1800
上六印刷株式会社
お話を伺った
執行役員 工場長 寺西氏(中央)
製造部 検査・貼りプロセス プロセスマネージャー 牧浦氏(右)
オペレーション担当 中辻氏(左)
上六印刷株式会社様は1950年設立の奈良県生駒市に本社を置く会社。 企画設計から始まり、オフ・グラビア・シルクなどの各種印刷から表面加工・抜き、貼り・アッセンブリまでの生産工程を一貫して行う体制を持つ。 化粧品・医薬品をはじめとした機能性だけではなく美粧性を持つパッケージの製造をメインに手がける。 特に創業当時から製造している化粧品パッケージを得意とし、国内のほぼ全ての主要化粧品メーカーはもちろん、最近では海外ブランドのパッケージ製造も手がける高い技術力を持つ同社が、段ボールケース製造におけるカット・罫線加工を1パスで行うことができるカートンボックスマシン 【Intelligent Box IB-1800】を導入。その経緯と効果をお伺いした。
配送用外装箱の最適化で顧客満足度の向上
物流トラブル・コスト削減を実現
IB-1800導入きっかけは?
寺西氏 弊社は高級板紙系パッケージを製造しているメーカーなので、段ボールケース自体は営業品目には無く、製造設備も持っていません。 なので、製造した製品を入れる納品用段ボールケースは、段ボールメーカー様から購入していました。 梱包する製品のサイズは案件ごとに異なりますので、ストックしている既存の箱から一番都合の良いサイズのものを選んで箱詰めしていくのですが当然ピッタリと入ることは無く、ほとんどのケースで空いた隙間にパットや緩衝材代わりの薄紙を丸めて入れるなどしていました。 しかしこのやり方では隙間を完全に埋めることができないため、輸送中の振動で製品に傷がついたり、カドが潰れてしまうなどの問題が発生することがありました。 また近年の環境意識の高まりにより、ゴミとなる紙が多いのを何とかすることはできないか?という声を取引先様からいただくことが多くなりました。 これを改善するためには、梱包サイズに合わせた専用箱を使うしか無いという話になりました。
牧浦氏 とはいえ、弊社の梱包箱で需要が多いのがLDで500mm、Wで200mm以下といった小型の物が多く、小ロット案件なら必要数量も100ケース未満なので、それを都度サイズ指定して外注するというのは、手間的にもコスト的にも流石に現実的ではありません。 そうなると後は自社で内製するしかないという結論となり、社内で内製できる設備を探し始めたのがきっかけです。
IB-1800導入を最終的に決定した要因は?
寺西氏 弊社の場合、段ボール箱を製品として販売するわけでは無いため、品質よりもいかに手間をかけずに希望するサイズの箱を素早く必要数量製造できるか、というところを重視しました。 スペック的な部分に関しても、箱のサイズは比較的小さなものが多く、フルート以上の厚さのシートを使うことも無いため、加工パワーやワークサイズはそれほど必要無く、できるだけ省スペースなものを希望していました。 しかし他に検討した機械はワークサイズの大きさや、強化段ボールなどの厚い資材も加工できるハイパワーを売りにしている物が多く、弊社にとっては正直オーバースペックであると感じる物がほとんどでした。 それに対し、最終的に選択したIB-1800は、他の検討機械と比較して、ワークサイズが小さい分機械も小さく、それでいてツールの数が多いため、パットなどの緩衝副資材も必要に応じて制作できるというところが、弊社のニーズに一番マッチしており、導入を決定しました。
カッティングプロッタを採用しなかった理由は?
寺西氏 確かに拡張性や汎用性という点ではカッティングプロッタは優秀ですが、先ほども申した通り、あくまで輸送用の箱を作るという点、機械を動かすにはCADによる作図が必要な点、一番使うA式の形状ならばIBの方が早く加工できる、ということを考えた場合、カッティングプロッタではニーズと機能のミスマッチがどうしても発生してしまうというのが理由です。
設計知識なしで、理想の仕上がりへ
3日で”使いこなせる”ソリューション
機械の使用感はどうですか?
中辻氏 まず私自身がこういった加工機械を業務で使用することが初めてであり、導入前は私で扱えるのかが非常に不安でした。 しかしNSKのインストラクターによる丁寧な指導とフォローにより、3日間の初期指導で使いこなせるようになりました。 基本的な操作性については、本当に初心者でも扱えるほどの簡潔性を持っていると思います。 加工データについては形状とサイズ入力だけで段取りができ、よく使用するサイズものに関しては設定を保存しておくこともできるので、製造指示が来てから数秒後には生産を開始できます。 鋭利な刃物を搭載している機械ですが、安全性も十分考慮されているので、安心して使うことができます。 品質面においても、サイズの正確さはもちろんですが、段違い罫線機能により『逃げ』を考慮した箱ができるため、作図の知識がなくても組みやすくて美しい箱が簡単に作れます。 加工スピードも早く、1ケース6秒ほどでできるので急な生産指示にも十分対応できます。 ある程度の数を作る際も、ボトムフィーダー方式なので機械の加工中でもシートを追加供給でき、一人でも機械を止めることなく連続生産を行うことができます。
牧浦氏 切断面に関しては、従来の箱よりもシャープだと思います。その影響か、従来の箱では時々紙粉やヒゲが付いていることがあったのですが、IBではそういったものが付着することがほとんどありません。 梱包前の清掃作業が少なくなった分、現場での作業効率がアップしたと思います。
導入後の効果は?
牧浦氏 梱包現場での作業効率向上・ムダの削減効果が一番大きいと思います。 これまでであれば、梱包物のサイズに応じて、私や現場の従業員が使用する箱や緩衝のさせ方の選定を都度行っていました。 この時に考慮しないといけない事として制限重量というものがあり、これが厄介でした。 お客様や案件によって1箱あたりの制限重量が異なるため、効率だけを考えて闇雲に大きい箱に詰められるだけ詰めるといったことができません。 重量を軽くしようとすると隙間が大きくなりやすく、結果、ムダな詰め物やキズ・外装箱を積み上げた際の箱の潰れなどの輸送トラブルを引き起こしやすくなります。 こういった懸念を考慮しながらの作業は非常にストレスであり、時間のかかる作業になっていましたが、IBが導入されてからはこの部分が大きく変わりました。 まず私の方で最適な箱のサイズを算出し、中辻の方へ製造指示を出します。 早ければ数分後、ほぼオンタイムで箱が出来上がりますので、サイズ修正などもすぐに反映させることができます。 作図に関する逃げなどの細かい部分は機械側に任せることができるので、私は輸送に考慮したサイズ算出のみに集中できます。 ジャストサイズで作られた箱であれば輸送時のキズのリスクも最小限になり、余分な緩衝材も不要になるため、見た目にも印象が良くなります。 また、物理的に入る形と量がほぼ固定されるため、入れ間違え防止対策や、入り数のコントロールもやりやすくなりました。
寺西氏 段ボールシートの調達コストに関しては、かなり仕入れ先メーカー様にご協力頂いておりますが、それでも箱になった状態の箱を仕入れるのと比較して大きなコストメリットが出るわけではありません。 ただ、その中でも専用サイズの小ロット小箱みたいな条件となると調達コストの方が高くなるものもありますので、まずはその部分をIBでカバーすることによってコスト削減効果を出しています。
今後のビジネス展開について
中辻氏 お客様が求めるムダのない梱包を、見た目もより美しい形で提供できるようになったことにより、取引先様から喜びの声を多数いただくことができました。 直接製品とは関係ないと思われる部分からでもお客様の信頼を得られるということが実感でき、今後もよりお客様に喜んでいただけるよう改善を続けていきたいと思います。
寺西氏 先ほども申した通り、現在は小ロットかつ小さい荷姿になるような梱包をメインにIBを活用していますが、この範囲をお客様の反応を見ながら拡大し、コスト削減とともに、物流における弊社のアピールポイントとして活動していきたいと思います。
上六印刷株式会社
https://ue6.jp/
上六印刷株式会社は1950年設立の奈良県生駒市に本社を置く会社。 企画設計から始まり、オフ・グラビア・シルクなどの各種印刷から表面加工・抜き、貼り・アッセンブリまでの生産工程を一貫して行う体制を持つ。
導入ソリューション
コンパクト高機能モデル
Intelligent Box IB-1800
詳しくはこちら 段ボールケース製造におけるカット・罫線加工を1パスで行うことができるカートンボックスマシン。タッチパネルから入力するだけで、CADによる作図を行うことなく段ボールケースを作成できる。