時間短縮・省力化だけでなく
品質向上をもたらすMBMのポテンシャル
導入機器
上六印刷株式会社
お話を伺った
執行役員 工場長の寺西氏(右)
製造部の富田氏(左)と加藤氏(中)
上六印刷株式会社は奈良県生駒市に本社を置く会社。
企画設計から始まり、オフ・グラビア・シルクなどの各種印刷から表面加工・抜き・貼り・アッセンブリまでの生産工程を一貫して行う体制を持つ。
同社は
ブランキングマシン MBM
を導入した。
MBMはパッケージ、カード、台紙、ラベルなどを落丁する小ロット生産型ブランキングマシン。
ピンを挿すだけで固定できる押出ピン方式と、ネジの調整で簡単にサイズ変更が可能な上部押さえフレームを採用し、多種多様なブランクス形状にも型枠を別途作成する必要無く処理できる。
ワーク部分が180°回転し、同型入れ子のブランキングが可能なローテーションヘッドタイプを導入。
その導入のきっかけと効果について、執行役員 工場長の寺西氏、製造部 加工プロセス
プロセスマネージャーの富田氏、オペレーションを担当する加藤氏にお話を伺った。
ムシり作業の煩わしさを改善
時短・省力・品質 の向上へ
MBM導入のきっかけは?
寺西氏 以前、他社製のブランキングマシンを導入したのですが、そのマシンの稼働率が低く、色々社内でも稼働を上げるための指導や対策を行っていたのですが、 使い勝手の問題や機械にかけられない形状や入れ子パターンが多いなどの理由もあり、どうしても稼働率を上げられず、対策として新しい機械を探し始めたのがきっかけです。 機械にかけられないものは当然手作業になり、工程のボトルネックになっていました。人手不足も深刻化する中、機械でこなせるものは機械でしていくという会社の方針に合っていない状態でした。
富田氏 使い勝手の問題としてあるのが、ワークを移動させて止まる時に少し滑って積みがずれてしまうことがある点です。 弊社では表面コートを多用している影響があるのかもしれません。 積みがずれてしまうとピンと当たってムシれない。 面付け数が多くないワークであれば少しずれても問題ないケースもあるのですが、小さい箱が多面付けされたワークでは突き上げ時の抵抗が大きくなりすぎて、商品に傷がつく問題を発生させていました。
加藤氏 あとはピンレイアウトのためにテンプレートを作るというのも手間でした。 そしてそれをリピート時に備えて保管しているのですが、それなりに大きいものなので、その保管に場所を取るというのも問題でした。
機械正面からほぼ動かずにセッティング・オペレーションが完結できる操作性
MBM導入を最終的に決定した要因は?
寺西氏 弊社の協力会社でもある株式会社ヤマト紙工様でMBMを2台導入し、省力化を達成しているという紹介を頂き、現場を見学させていただきました。 何度かの見学とオペレーターの方からも実際の使い勝手に関するお話を聞き、従来機ではできなかった形状や入れ子への対応、搬送時の滑りズレが起きない構造など、 現在課題となっている問題に対応できるという点と、品質に対して高い基準を持つヤマト紙工様で2台導入しているという実績が、MBM導入を決定した要因です。
回転式モデルを選んだ要因は?
富田氏 ヤマト紙工様ではツインヘッドモデルを導入していましたが、少し機械横幅が大きいという印象でした。 ツインヘッドモデルでは異形状の付け合わせが処理できるというメリットがありますが、弊社では同型入れ子の割合の方が多いため、機械がより小型になるローテーションヘッドタイプを選択しました。 おかげで現場の作業動線の妨げにならずに設置できました。
機械の使用感はどうか?
加藤氏 まず操作感に関しては本当に簡単だと思いました。 タッチパネルも見やすくて分かりやすく、メニューのボタンも数が少なくて誰でも覚えやすい。 導入時に1週間指導期間があったのですが、翌週からは即実践で使用しています。 あとは機械段取りやオペレーション時も、基本的に機械の正面から動かずに作業が完結できる点が従来のブランキングマシンと比べて使い勝手の向上になっていると思います。
ワーク移動方式の宿命とも言える裏面の傷などについてはどうか?
加藤氏 確かに弊社では両面印刷や表面加工が多いため、傷・汚れが付きやすい・目立ちやすいものが多く、美粧性が命となる化粧品パッケージにおいては、ワーク移動時に付く傷や汚れは問題です。 ただ、それも少しの運用の工夫で解決できます。 ワークの下に数枚抜いたカスの方を下敷きとして使うことで簡単に解消できるので、運用の障害にはなっていません。 ピン跡についても全く問題ないですね。
両面印刷などで裏面の傷にシビアな案件に対しては数枚の抜きカスを下敷きに
導入後はどのような効果があったか?
富田氏 作業の機械化による省力化・短時間化については期待通りの効果が出ています。 これまでの実績例としては、弊社でMBMを使う平均的なショット数3000~5000に対して、従来の手ムシりでは2時間程度かかっていたものが、MBMではオペレーター1人体制で30分~1時間以内。約半分以下の時間で終われるようになっています。 熟練したオペレーターなら1日で15000~20000ショットは平均でこなします。 稼働日も従来機では稼働していない日もありますがMBMは毎日ほぼ日中稼働しているので機械稼働率も上がっています。
加藤氏 直近の実績で多かったのは15丁付けの50000ショット案件を48時間でこなしました。 かなりの多面付けだったので2日かかりましたが丁数が少なければもっと早く終わったと思います。
富田氏 品質の面についても向上がありました。 従来機ではワーク全面を一気に強い力でムシる方式の違いや紙揃えズレによる摩擦の影響があると思うのですが、ヒゲと紙粉の発生が多く、約60%の割合で付帯作業として清掃が必要でした。 対してMBMは単面ごとにムシるので摩擦が少ないため、ヒゲ紙粉の発生が少なく、清掃の割合も20%程度まで抑えられています。
加藤氏 MBMでできるようになった形としては、弊社の仕事で多いのが箱のフラップと天面の間に5~10cmほどある深いU字の溝が入った形状パターンがあるのですが、この細い部分をうまく抜くことが従来機ではできませんでした。 ただMBMならばうまくできるとヤマト紙工様からも事前に聞いており、実際に弊社でもきれいに処理できるようになりました。 このパターン形状を機械化できたことは弊社としては非常に大きかったです。
蓋とフラップの間にできる深い溝の引っかかりもMBMでは問題なく処理できる
今後のビジネス展望について
寺西氏 MBMの導入によって、機械でできることはできる限り機械化していくという目標に対しては前進し、工程のボトルネックになっていたムシり部分も改善しました。 しかし今後の人手不足の深刻化を考えた際、手作業は限りなく0にしたい。 現在はまだまだ手作業に頼る部分もあり改善点もあると思っています。 更なる省力化改善をMBMと共に行っていきたいと思います。
上六印刷株式会社
企業HPhttps://www.ue6.jp/
上六印刷株式会社は1950年設立の奈良県生駒市に本社を置く会社。 化粧品・医薬品をはじめとした機能性だけではなく美粧性を持つパッケージの製造をメインに手がけるが、特に創業当時から製造している化粧品パッケージを得意とし、 国内のほぼ全ての主要化粧品メーカーはもちろん、最近では海外ブランドのパッケージ製造も手がける高い技術力を持つ老舗の会社である。
導入ソリューション
型製造不要で多様形状のムシりに対応
MBM(Multi Blanking Machine) RH-410
詳しくはこちら パッケージなどを落丁する小ロット生産型ブランキングマシン。 ピンを挿すだけで固定できる押出ピン方式と、ネジの調整でサイズ変更が可能な上部押さえフレームを採用し、多種多様なブランクス形状にも型枠を別途作成せずに対応。